Worn Free x Chris Hillman : The Flying Burrito Brothers Logo T-shirt circa 2022

一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。

ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。

T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。

今回の物件は何年も「あったらいいなぁ」と探し続けていたので本当に嬉しいです。

それは1970年代初頭に「カントリーロック」の礎を築いたバンド:The Flying Burrito Brothersの当時のバンドロゴがプリントされたライセンスドT-shirtです。

Worn Free x Chris Hillman : The Flying Burrito Brothers Logo T-shirt circa 2022

このバンド、フロントマンはThe Byrdsに参加して名盤「Sweetheart of The Rodeo」を産み出したGram Parsons。オリジナルメンバーには同じくThe Byrdsでベースを弾いていたChris Hillman、他にはのちにThe Eaglesを結成するBernie Leadonも有名ですね。

純粋なオリジナルメンバーが在籍していた期間に出したアルバムは2枚。私がこれらのCDを買ったのが1990年代初期。アメリカA&Mが一向にCD化しないなか、世界で初めてCD化して販売していたのが英国のEDSELレーベルでした。同じようにThe ByrdsのSweetheart of The RodeoのCDも本家アメリカCOLUMBIAではなくEDSELが世界初CD化してました。確か。

そんな短命バンドの屋号の行方なんですが。Gram Parsonsはドラッグの過剰摂取で亡くなり、現在はきちんとChris Hillmanが管理しているようです。彼のオフィシャルサイトでこのバンドロゴのT-shirtsなどが販売されています。よかった、ちゃんとあるべきところで落ち着いていて。

ですがこのT-shirt。彼のサイトで入手したものではなく、Worn Freeという英国ブランドがライセンスを得て販売されている物件なんです。

On this photo, Chris Hillman wore an original Flying Burrito Bros. logo T-shirt circa 1969

Worn Freeは他にも当時ミュージシャンが着ていたプリントT-shirtsなどをライセンスを取得して復刻しています。更に購入時にはその元ネタとなるミュージシャンの写真を添えて発送してくれます。

行き届いた配慮なんですが、T-shirtのデザイン(ロゴ)へのライスンス料、証拠となるポストカードに対するロイヤリティ(肖像権やら写真の版権などでしょうか)も発生するためか、一般的なバンドTよりも割高感は否めません。実際オフィシャルサイトの平均価格よりも倍近い値段設定だったりします。

それを補えるのかどうか検証してみたくて購入しました。まぁここにしかない商品(この旧ロゴのFlying Burrito Bros T-shirtはChris Hillmanのオフィシャルサイトでは販売されていません)という時点で魅力的なんですが。よく見つけて商品化してくれたなぁ!という感謝の意もありますし。

購入した時期の背景としては郵政省のアナウンスでは「日本からの英国向けの郵便物はEMSも扱っておらず、船便のみ」というわけのわからない状況だったのですが、英国から日本向けは制約もなかったようで、「発送しました」メールが届いてから一週間ほどで届きました。

このT-shirtsはボディの色も選べるのですが、私はクリスが着用していたのと同じホワイトTをチョイス。うーん、完成度の高いレプリカです。満足。しかもシングルリブネックなので当時にディテールが近いのもいいです。これがダブルステッチのネックリブだったらかなり雰囲気も違っていたことでしょう。

Worn Free x Chris Hillman : The Flying Burrito Brothers Logo T-shirt The Clothing Artwork circa 2022

タグレス仕様でWORNFREEのブランドロゴがプリントされています。表示は

MADE WITH LOVE   WASH WITH CARE
100% COTTON

シングルネックリブ、100%combed cotton、二枚仕立て。肩まで通ったネックテープ。

そしてなんとこれ、BELLA+CANVAS製。本国アメリカ流通品では使用されない長さ9.5cmのコンテンツタグがこれまたアメリカ国内製品では見たことのない、左腰部分の内側に縫い付けられていました。おそらくタグレス仕様でボディを発注した際の配慮なんでしょう。そこに23カ国表記で!「100% COTTON」が。最後に

BELLA + CANVAS
VOS Logistics
Waalkade 12
5347KS Oss
The Netherlands

オランダ法人の表記は私も初めて見ました。結構レアっぽくてこれだけでちょっと値段は張ったけどいいかな、と。で、EUでは生産国表示の義務がないのか、ここも「MADE IN ~」の表記は無しでした。

生産国表記がプラスになるときは大々的に明記しているのになんだかダブルスタンダードなシステムだなぁと思ったり。

あとはサイトのサンプル画像ではもうちょっとネックリブが太くて1980年代初頭っぽいシルエットのT-shirtにプリントされた画像だったので「ボディからこだわっているのか?だとしたらまぁこのくらいの値段にはなるわなぁ」と思っていただけにBella+CANVASが使われていて心境はちょっと複雑ではあります。

そんなChris Hillmanですが。私、彼のライブを観たことがあるんです。1980年代後半には彼はHerb Pedersonと組んでDesert Rose Bnadとして活動、1990年代には2人のユニット名義のアルバムも数枚リリースしてます。そのユニット名義のライブ。2003年5月5日にロンドンのカムデンタウンにあるJazz Cafeで。狭いVenueなので間近で見ることができ、アンコールでは代表曲でもあるSin Cityを再び演奏してくれたり、なかなかいいライブでした。今日はその日から丁度20年ということで自分史のアニバーサリーの意味も込めてこの日にアップしました。記録としてその時のチケットの画像も上げておきます。

Chris Hillman with Herb Pederson @Jazz Cafe on 5th May 2003
size chart fig.2

1). 両袖のピーク幅 81cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 73.5cm
3). 脇幅 54cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 19.5cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)26cm
6). アームホール(平らにしての採寸)17.5cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm

size: Large

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