一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回の物件はクラプトンのオフィシャルT-shirtになります。以前アップしたリプロ商品同様、こちらもかつてツアーT-shirtsとして販売されたもののデザインを流用したものと思われます。
このT-shirt、オリジナルでは数字の「1963」と「2013」の間に大きく「50」と入っていて、もちろんそれはクラプトンのキャリア50周年の意味とすぐにわかるものでした。それに伴ってのヨーロッパツアーも行われていて、その時に販売されていたツアーTがこのリプロの原型になっています。そしてバックプリントに日程などが明記されていましたが、こちらはそれはなし。
因みに翌年の2014年2月の日本公演で販売されたツアーTにもこのデザインが使われていますが、それには「1974」「2014」の数字が入っています。これはクラプトンの日本初公演が1974年であり、それから40年という意味合いですね。これには真ん中に「40」の数字が入っていません。
私はこの2014年の日本公演には行っておりません。クラプトンの日本公演って秋のイメージがあるんですよね、個人的に。涼しくなって過ごしやすくて乾燥してギターの鳴りもいいからこの時期を選んで来るのかな?なんて勝手に思っているのですが。なので2月って結構意外だなぁ、と。2月はクラプトンにとってRoyal Albert Hallの公演がライフワークだった頃もあったし。
で、デザインはGibson ES-335。私がクラプトンすげーっ!とのめり込んでいったきっかけの曲で彼が使っていたギターがES-335のチェリーレッドでした。そう、「CROSSROADS」ですね。1968年のcreamのライブパフォーマンスの。
世間ではクラプトン=ストラトでしょうけれど、私の中のヒーロー・クラプトンはES-335を持った彼であり、次点でマーシャル+レスポールを高みへ上げたBluesbreakers時代。
が、これ。残念ですがその当時のクラプトンのES-335TDCじゃないんですよね。ブロックインレイまではいいんですが、ノブが違う……というか、1969年のBlind Faith在籍時までは2コブのクルーソンペグ&黒地にシルバーのトップハットノブという、その当時のスペックだったのですがそれ以来ステージ等で引かなくなり、1990年代に「Nothing But The Blues Tour」で再び目にした時には黒のプラスティックノブとGloverのペグ、そして「CUSTOM」と文字が入ってるトラスロットカバーというスペックに変わっていました。これが2005年にGibson Custom Shopからリイシューされたクラプトン “CREAM” モデルになってるわけで。2本あったのか?と思ったのですが、「GIBSON ES-335 GUITAR BOOK」という本を書いたTONY BACON氏がこのES-335について言及したコラムがサイトにあったので引用。
I examined Clapton’s ES-335TDC in 1997 at Olympic studio in Barnes, west London, when we photographed it for one of my books, and I could see there had been a few minor changes and knocks since the ’60s: the original Kluson tuners had been replaced with a set of gold-plated Grovers; the outside nut on the pickguard bracket had broken off; the jack washer had been changed to a gold-plated one; the original reflector knobs had been changed for black ones; and the “Custom” truss-rod cover wasn’t original to the guitar. The serial number on the rear of the headstock and on the orange label inside the guitar was 67473, which revealed a shipping date for the guitar of May 20 1964, and below the number on the headstock was a Hare Krishna stamp, apparently put there by George Harrison.
それを読むと1968年にロンドンでGibsonの代理店をしていたSelmer’sで購入したチェリーレッドのギターのようで、やっぱり上記の箇所が改造されていたようです。因みにこのギターは2004年にクリスティーズを通してオークションにかけられ、Guitar Centerが落札しています。
オフィシャルサイトでは別のプリント・デザインのES-335もあるんですがそちらはストップテールピースではなくてトラピーズモデルだったのでそれはどうかと思いました。
ボディはGILDAN Softstyle。丸胴、シングルネックリブのクラシックなタイプです。生産はバングラデシュでアジア向けと思われるタグが付いています。
タグのお品書きは
GILDANⓇ
Softstyle
RING SPUN
裏には
中国語で上海にある輸入会社の紹介とその英文が。簡体語の入力が面倒なのでw 英文のみ引用すると
Imported into China by
Gildan China Trading Company LTD.
Room 3301, Maxdo centre, No 8 , Xingyi road,
Hongqiao Devp. zone. Shanghai 200336, China
ブランドネームタグの下には
100%綿
バングラデシュ製
100%綿
孟加拉国制造
100% Katun
Dibuat di Bangladesh
100% COTTON
Made in Bangladesh.
成人 大号
L (175/88A)
Adult
裏面には
Imported into Taiwan by:
INNI Creative Corporation
愛力創意國際有限公司
電話: +886-2-26089896
台灣新北市林口區南勢二街68號
Imported into Japan: Gildan Japan株式会社
東京都渋谷区神宮前3-23-3
製品名:Tシャツ
品質基準:GB/T22849-2014
安全基準:GB18401-2010
商品分類:繊維製品
Di Impor Oleh: PT Prima Mode Indonesia Jakarta 10220
Nama Produk: Knitted T-shirt
Standar Kualitas: GB/T22849-2014
Krasifikasi Keamaman: GB18401-2010
Krasifikasi B (Kain tanpa lapisan)
最後にES-335TDC繋がりで。
クリーム解散以降クラプトンはこのギターをライブでほとんど弾かなくなったのですが、なんと!1994年に全編ブルースカバーのアルバム: From The Cradleをリリースした後の「Nothing But The Blues」ツアー(日本公演は1995年10月)でこのギターを携えて数曲弾いてくれました。Cream時代の勇姿を見ていないのでほんと、眼福でした。
「I’m Tore Down」のあの切れるようなシャープな音!1959年のES-335だったらもう少し音が太くなってあそこまでソリッドではなかったと思うとギターの選択も神がかっていた素晴らしいライブでした。
その時のライブチケットです。私が行った1995年の日本公演は28年前の今日で、T-shirtの意匠である2013年からは10年になりますね。
1). 両袖のピーク幅 85cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 71.5cm
3). 脇幅 51cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 18.5cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)23.5cm
6). アームホール(平らにしての採寸)16cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm
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