一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回の物件は2008年6月9日より始まったWWDCで提供されたT-shirtになります。参加者用に配布されたグッズなどはラップトップ用バッグの他に定番のオリジナルデザインのT-shirtなどがあるのですがそちらのデザインはフロントにiPhoneのアプリアイコン(左から時計、カレンダー、マップ)が並んだものになってました。
2008年のWWDCではiPhone 3Gが発表されていよいよiPhoneが世界を席巻するお膳立てが出来た年。
かと思えば結果的に失敗に終わったクラウドサービス:MobileMeが発表されたりもして割と分岐点とも言える年だったと思います。MobileMeは結局数年後にiCloudと名称変更され、iPhone、iPadというデバイスの成長でクラウドサービスも熟成され、2021年でも安定したサービスを提供していますが。
このT-shirtは参加した開発者に配布されたもの。マップのピンが意匠ですね。シンプルですが非常にセンスがいい。こういうところは流石アップル。それもJobsがまだ活躍していた頃の時代の産物です。
「Apple Engineer」のフロントプリント。
バックプリントは小さめな「 WWDC08」。
ボディに使われたのはHanesのBeefy-T。この頃にはアップルはスタッフ用やプロモ用にAmerican Apparelを主に使うようになっていたのでちょっと珍しいです。
Beefy-Tの生産国はエルサルバドル。そしてタグは黒地のブルタグ。タグレスに移行する前の最後の物理的なタグがついたデザインタグになります。
おそらく個人的な使い方や保管方法のせいだと思うのですが、この頃のT-shirtsって今現在ほとんど手元に残っていません。多くが色褪せたり、ネックリブが擦れてみすぼらしくなったりして処分してしまったのです。かと思えば2000年代初頭とか1990年代後半のHanesはまだ現役だったりしているのでなんなんでしょうね。