一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回の物件はナイキ。スポーツウエアの中ではサイズに迷いがなく購入できるという点でもナイキがメインの私ですが、今回のは見つけた時にちょっと珍しいなぁと思い入手したもの。

ナイキのヴィンテージT-shirtsというのは古着屋でも高値安定な物件ですが、これは21年前のホノルルマラソンの完走者がもらえるT-shirt。
で、何が「?」と思ったのかと申せば
MADE IN USA
なんですよ、これ。
1998年と言えばアメリカ中のボディブランドがアメリカ生産から徐々にジャマイカやらエルサルバドルなどに生産拠点をシフトしていた時期。
しかもナイキはその社風に「MADE IN USA」の文字がほとんどないと言っていい会社。
オニツカのディストリビューターから始まって初期は日本に生産を委託、Eliteなどはその後一時期アメリカでも生産しましたがそのあとは台湾、韓国やら中国、タイ、ベトナムと東南アジア生産品がほとんどとも言えます。
ヴィンテージTが高値なのはそのデザインもありますが珍しく?アメリカ製だったことも一因なのではないでしょうか。
私の記憶でも1990年代後期のナイキのウエアでアメリカ製って「ありえない」という認識でした。
なのに。
驚きです。
パチモンじゃないのか?とも疑い、しばらく放置しつつ、同じものがあるのかネットで探してると同じものがオークションに出品されててびっくり。あ、本物でアメリカ生産なんだ、と。
で、無事手に入れたのがこれになります。
ホノルルマラソンは1977年以降は毎年12月の第2日曜日に開催されるとのこと。師走で忙しい時期ですが日本人も大勢参加しますよね。開催前ですが過去を振り返ってみましょう。
フロントにはホノルルマラソンのアイコンと誇らしげな「Honolulu Marathon 98 FINISHER」の文字。

バックプリントも同じ文字ですが、その下に協賛スポンサーのロゴ(DCカード、JAL、そしてNIKEのスウッシュ)が。

タグはブロックフォントのNIKEロゴでその右下に「M」とサイズ表記。その下にコンテンツタグが見えるように配置されそこに控えめですが「MADE IN U.S.A.」の文字が。
ボディの仕様はこの年代では一般的な肩がダブルステッチで縫製され、ネックリブは(まだ)ダブルステッチではありません。1998年のHanes Beefy-Tなどと同じですね。
ただ、触った感じはBeefy-Tよりは同時代のanvilに近い気も。
そして個人的な印象なんですが、ハワイというロケーションで配布されたからなのかサイズが表記よりも一回りもふた回りも大きい気が。これもMですが、同じ時代のHanes、anvilなどと比べると明らかに大きいです。
ともあれこういう頑張った証がT-shirtsってのはT-shirts屋としてはなんだか使われ方としては非常に嬉しく思います。

1). 両袖のピーク幅 87cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 75cm
3). 脇幅 53cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 22cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)25cm
6). アームホール(平らにしての採寸)19cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm
size: Medium