一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回の物件は個人的に「アディダスの歴史上で一番カッコいいT-shirt」と思っているものです。正直カジュアルな「T-shirt」というカテゴリーではない物件ではあるのですが。アディダスではこれをサッカーT扱いしてましたし。
まぁ細かいことはさておいて。
私が中学時代からこのモデルを見た記憶があるのを裏付けるかのようにこれは1978年のカリフォルニア州サンペドロでのマラソン大会のT-shirtだったようです。
プリントされている「SAN PEDRO & PENINSULA」というのは今も現存するYMCAであり、一方「Schlitz Light」というのは今はもう存在しないビールの銘柄だったようです。ここがこの大会のスポンサーですね。
フロントにはアディダスのトレフォイルロゴが左胸に、そして右のスペースに
Schlitz
Light
National
Marathon
Series
バックプリントは
San Pedro &
Peninsula YMCA
1978
Schlitz Light
Harbor Marathon
通常マラソン大会などのイベントで使われるT-shirtsって最近までボディブランドのものが多かったイメージなのですが、ここではアディダスの看板商品?を贅沢に使っています。うーん、太っ腹。決して安いわけでもないと思うので参加者用というよりは運営側のユニフォーム扱いだったのでしょうか?
いわゆるアスリート用のT-shirtsはよくわかりませんが、adidas originalsブランドとして販売されているT-shirtsなどはモデルによってサイズがまちまちでオンラインで購入するのに結構躊躇するんですが1970年代はどうだったんでしょう?ちょっと気になりますね。
タグは二つ折りで縫い付けられていて、表には
トレフォイル
adidas
LARGE
65% COTTON
35% POLYESTER
IMPORTED BY CLOSSCO
MADE IN TAIWAN
REP. OF CHINA
(SEE OVER FOR CARE)
裏側には
MACHINE WASH WARM
DO NOT BLEACH
TUMBLE DRY LOW
裏を見ろと明記してある割にはたったの三行。1970年代の代物なので表記のアイコンもまだ存在していない時代です。
ただ、ここまで全て刺繍されています。
台湾製で輸入業者まで明記してあるところを見ると1970年代はまだアディダスはアメリカ本土では現地法人を立ち上げていなかったのでしょうか?日本でいうデサント的な?エージェントだったのかなぁ?CLOSSCOって。
ネックリブとか肩のストライプ地なんかは今でも小中学校の公式体操着で使われているような素材です。
体操着という意味合いを裏付けるかのようにこれは丸胴ではなく、二枚仕立て。まぁサッカーシャツですもんね。
1). 両袖のピーク幅 75.5cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 69cm
3). 脇幅 44cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 14.5cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)19.5cm
6). アームホール(平らにしての採寸)14cm
7). ネックリブ自体の幅 3cm
size: LARGE