一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
そろそろ「1980’s」というカテゴリーの物件でも出そうかと思って今回はこれです。
ロスで毎年2月のチャイニーズニューイヤー時期に行われているマラソン大会の参加者T-shirtです。
奇しくも今年と同じ酉年。36年前の物件であり、3回目と明記されていることからもかなり初期のものですがデッドストック状態で手に入れることができました。
1980年代のT-shirtsはサイズの寸法が今と違ってふた周りくらい小さくできています。これもLを見つけましたが、今で言う所のメンズの大きめのSとMの間くらいというのは知っていましたので着て歩くということも叶いません。
10年くらい前だったら珍しいものを見つけても「それをまず着たい」という欲求が先にありましたのでサイズが小さかったりしたら購入することもなかったのですが、最近ではコンディションの良いヴィンテージを見つけるのが急に難しくなり、「Beefy-Tを1年ごとにストックして年表みたいに記録してみようか」と方向転換、これはその目論見にあったT-shirtのうちの一着です。
年表にするにはその生産された年がピンポイントにわからなくちゃならないのが必須条件で、そういう意味ではこういった毎年行われるイベント用のT-shirtsというのは非常にありがたいものになります。
とは言ってもこれは2月に行われるイベントで、参加者登録が前年からというケースでしたら参加者用T-shirtsを生産されたのが1980年ということも十分ありえる話です。
T-shirtはBeefy-T。タグは第二世代のもの。2色使いで「BEEFY-T」はオレンジなんですが、これはほんの少し印刷がずれたのか、左側に余白が残ってます。切手の世界では印刷のずれなどは珍品扱いでコレクター的価値がグンと上がるのですが、まぁこれはそんなことないだろうな。
下部には
100% COTTON L 42-44 MADE IN U.S.A.
この時代はモックタートルか?みたいな印象を与える太いネックリブが特徴でした。着ていくと少し広がってリブが立ったような感じになるんですよね。それまでは首がタイトなので顔が大きく見えちゃうのが欠点ですが。
そしてネックリブの太さゆえか、タグがパッと見えないのもこの時代のお約束です。
ただ、これは1981年ですが、1982年からタグのデザインがまた仕様変更するのです。でも1982年からだと思っていたタグをつけた1980年製と思われるものが手元にあってわけがわからなくなっているのである程度数を見つけてその比率から「そうじゃないか」という答えを導いていこうと思ってます。
この辺りがアメリカ製品のいい加減なところであり、面白いところなんですが。
ともあれ、奥が深いです。
1). 両袖のピーク幅 84cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 75cm
3). 脇幅 49cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 18cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)24cm
6). アームホール(平らにしての採寸)16cm
7). ネックリブ自体の幅 4cm !