Brooks Brothers Crew Neck T-shirts circa 2019

一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。

ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。

T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。

今回の物件はこの歳になってようやく買えたといえる、アメリカの老舗トラッドブランド:ブルックスブラザーズのクルーネックT-shirtです。

いわゆる第二アイビーブーム(1980年代初頭)の時には既にその存在を知っていたのですが、新潟に住んでる私にはこれを手に入れるには当時は青山(東京都港区)まで行くしかなく、念願叶って中3の時に青山の路面店に行った時は緊張してこれを買うのを忘れてしまったんです。15の小僧には敷居はやっぱり高過ぎたのでした。

Brooks Brothers Crew Neck T-shirts Packaging circa 2019

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Brooks Brothers 破産法申請(チャプター11)

9日付の読売新聞に掲載されていました。ソース元はWSJ。ただ、WSJはサイトだと登録者以外は途中までしか読めないため私はCNNのサイトでざっと読みました。

5月には身売り先を探しているなんてニュースが流れたと思ったらついにチャプター11かぁ……

やはり新型コロナウイルスで店舗を閉鎖しっぱなしの状態が続いたことが要因の一つだったようです。

読売新聞の方では「近年はカジュアル化してスーツを着る人が減ってしまった」のも原因と書かれていました。

というか、ブルックスなどのブランドのスーツにステイタスを求めなくなっているサラリーマンの認識の変化もあるのでは?イタリアの生地でとか、そういう好事家は少なくなってきているのでしょう、多分。

私の友人などもけっこういい収入を得ているのですがスーツはAEONなどで買って1年か2年で買い換えるとのこと。まぁそれも考え方なんですが私としては素直に同意しかねるというか。

CNNの記事では収束しない新型コロナウイルスのため自宅からのテレワークなどでこの先もスーツを着て会社へ仕事なんてスタイルがこの先見込めないという先行きの不透明さにも言及していますね。アメリカは失業者数も凄いので会社が復活する好材料は現時点ではあまりないようにも思えます。

中国企業とかに買収されたらちょっと嫌だなぁ…..

米ブルックス・ブラザーズが身売り先模索

1818年創業でアメリカンスタンダードでもあったBrooks Brothersが身売り先を探しているというニュースです。

歴代アメリカ合衆国大統領のほとんどが愛用し、流行があっても一定の層からは圧倒的な支持を得ていたと思っていたのですが。

ただこのブルームバーグのニュースソースも匿名の情報とのことで不確定ではあります。

個人的には未だに「憧れ」ともいえるブランドです。私もBrooks Brothersのスーツやボタンダウンシャツを所有していますが、現在手に入るそれらはほとんどがアジア生産品。そういうところもコアなファンには少しずつ敬遠されていったのかなぁ。まぁ売上不振で身売りというわけではないらしいのでなんとも言えませんが。

因みにオリジナルのブルームバーグの記事で知ったのですが1988年にMarks & Spencerに買収されていたのですね。英国のスーパーがアメリカの老舗ブランドをってのにも今更ながら驚きました。(その後2002年にはイタリアの億万長者のビジネスマン:クラウディオ・デル・ヴェッキォに身売りされたようですね)

大統領つながりですがドラマ「24」のシーズン3でDavid Palmer大統領が着ていたスーツは上2つがけの3つボタンで実にトラディショナル!身長もあるので非常にカッコよく着こなしていましたね。

そうかと言えばCNBCのニュースでBrooksBrothersがサージカルマスクの生産を開始するというコメントをヴェッキォ氏がしていますね。イメージ映像が流れていましたが具体的な生産拠点や他のインフォメーションには触れていなかったようですが。
これ、SHARPのマスクのようにブランドロゴが入っていたらちょっと欲しいかも…

BrooksBrothersに関しては2018年のこちらでも「アメリカンスタイルの200年展」を観に行った事を簡単に書いていますのでお時間がありましたらどうぞ。

Brooks Brothers アメリカンスタイルの200年展

新宿の文化学園服飾博物館で10月5日から11月30日まで催されている「Brooks Brothers アメリカンスタイルの200年展」に行って来ました。

日本ではお初と言えるブルックスの歴史を俯瞰するイベントですが、多分これ、アメリカ以外の国でも初めてなんじゃないかな?と思います。この辺はアメリカから初めて外国に出店したのは青山店という偉業にも関係するのではないでしょうか。余談ですがAppleも初の海外店舗は日本の銀座店でしたね。

文化学園服飾博物館/Brooks Brothers アメリカンスタイルの200年展

館内は「フラッシュを使わなければ撮影オッケー」でしたので貴重な資料(衣服)を撮らせていただきました。

金看板のボタンダウンの展示は当たり前としてどういう視点で展示するのかかなり期待していました。ブルックスの歴史はタイトル通りアメリカンスタイルの歴史ですから。

で、まぁざっくりいえば「アメリカ歴代大統領のほとんどが着用するほど権威ある」ブランドというところに落ち着きそう。リンカーンが着用したフロックコート(のレプリカ)やルーズベルトがわざわざオーダーした軍服などが目玉でしょうか。

ブルックスブラザーズの創業者が英国からの移民という出自のためか初期の製品には「MADE IN ENGLAND FOR BROOKS BROTHERS」「 MADE IN SCOTLAND FOR BROOKS BROTHERS」「  MADE IN NORTHERN IRELAND FOR BROOKS BROTHERS」というラベルが結構あったのが印象的でした。時代的に英国製は高級品だったのかな、と。

他にはフランスラコステに発注した鹿の子ポロシャツなども「へぇー」と驚きました。説明にもありましたがコラボの先駆けとも言えます。

お客さんは意外にも若い層ばかりでした。20代から30代といったところ。しかも女性が多いのですが、みなさんコンサバとはかけ離れているようなファッションだったのが印象的。これは場所が場所だったからかな?

対してIVYど真ん中の世代(団塊と50代前半)はほとんどいませんでした。平日だったからでしょうか、これは。

私個人の意見としてはヨーロッパスタイルとは違う決定的なポイントとしてボタンダウンやスーツのシェイプにもうちょっとフォーカスして欲しかったな、と思いました。

子どもの頃再放送で見た「奥様は魔女」で広告代理店に勤めるダーリン(初代:ディック・ヨーク)がいつも着用していたボタンダウンと3つボタン上2つ掛けのスーツ、そこにいわゆるIVYカットのコーディネートが子供心に「カッコいいなぁ」と感じていた自分としてはその組み合わせが一着も展示されていなかったのが至極残念でした。