一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回の物件は2005年にナイキヨーロッパ主導で限られた店舗で販売された、ナイキ初期の「ホワイトレーベル」と呼ばれる白タグ時代のアーカイヴT-shirtsを復刻したモデルの一つになります。今でもそのクオリティを思い出しては「また復刻しないかなぁ」と切望している一品です。
これらのアーカイヴモデルの特徴は2005年当時一般的に流通していたNIKEのT-shirtsとは別にそのほとんどがポルトガル生産品で、しかもオーガニックコットンが使われていました。
写真の左袖についている二つ折りのナイキの紙製のフライヤーにも「ORGANIC CONTENT」と明記されています。
そして白タグ時代のタグを再現して、ここでは見えないのですが、タグの下、首裏から背中にかけたところにフロントプリントの意匠の解説文がこのようにプリントされていました。
LIMITED ISSUE [No. NK-86]
With the arrival of CDs in the
mid 80s, it was only a matter of
time before 45rpm records were a
thing of the past, which may have
explained our decision to make
this play on “ World Records”
before it was too late. No word on
how “Da-Doo-Run-Run Featuring
Phil Knight and The Air Souls”
did on the charts, but it was a hit
with the jocks.
このプリントはシングルレコードをモチーフにしていて、解説文も時代の流れでレコードがCDに取って代わられる旨が。アーティストがナイキ創業者のPhil Knightで、SoulとSoleをかけた「and The Air Souls」名義なのもジョークのあらわれですか。
このモデルは他の1970年代の復刻とは違って「86」というナンバーからして1986年に販売されたモデルの復刻でしょうか。CDが登場してそれをネタにしているのもタイミング的に合っていますし。
他には当時の一般的に流通しているナイキのT-shirtsよりもサイジングが小さめでしたね。とは言っても柔らかいオーガニックコットンの素材の良さでキツい感じもなく、非常に快適でした。