一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回は珍しい物件だと思います。視察を兼ねてロンドンで一般人が購入するようなT-shirtsを買い漁って来たなかの一着です。
これは英国ではポピュラーなsainsbury’sというスーパーマーケットが展開するPBブランド「Tu」のメンズT-shirtです。
10年前まではこんな衣料品は展開していなかったと記憶しているのですが、ともあれ今でもちょっと珍しい物件。何故かと申せば基本的に衣料品は店舗展開していません。オンラインでオーダーして郵送してもらうか、オンラインオーダーで最寄りのsainsbury’sのお店でのピックアップをチョイスするか(こちらは£15以上で送料無料)、といったちょっとややこしい?やり方をしています。
一部店舗では商品をストックしているお店もあるようですが、店舗面積の兼ね合いか、おそらく郊外型でしか直接見てから買うことが叶わないようです。
私は事前にオンラインでオーダーしてホテル近くのお店でピックアップという方法を選んだものの最後の支払い時になぜかエラーが出てしまい、この方法では購入できませんでした。
半ば諦めていたのですが英国在住の友人にそのことを話すと「服売ってるお店知ってるよ」とことも無げに言われ案内してもらい、念願の購入と相成りました。
で、結果から言えば「やっぱり英国マーケットのT-shirtsはアメリカ・日本のとは違う」ということ。この歴然とした違いを再確認できただけでも実りあるものでした。
まず英国のT-shirtsはそのほとんどが「タグレス」に移行してしまってます。これもそう。
ネックリブの間から見えるプリントはシンプルに
Tu | MAN
L
だけ。シンプルでベーシックな縫製で、丸胴ではなく、二枚仕立て。ネックテープも付いていますが、首裏部分だけの短いパーツになってます。アメリカものだと一気に肩の縫製まで繋げているのですが、この辺は嗜好の違いなんでしょうか。
なのに肩の縫製部分にはなんと補強パーツとしてビニールみたいなものを噛ませて一緒に縫製しています。発想がなんとも…..
ケアコンテンツタグは左腰部分に縫製されています。ポリエステルサテン素材の耳付き。これ、ブランドロゴも印刷されているからそのままネックにつけちゃえばいいのに……
更にネックテープにフックのような余計とも言えるパーツが縫い付けられています。お店ではここに商品の紙タグを写真のように付けているのです。うーん……
そして思ったのが「袖が短い」ということ。Tuだけでなく買って来たもの全てでした。加えてその袖の短さをフォローするのが「脇の下のカーブ」。非常に特徴的。ですので写真を撮ろうとフラットにすると脇下がたるむんですよね。
こういうのを発見?してしまうと「これは英国だけなのか?」と要らない疑問がふつふつと湧き出てしまいます。
あと、こういった価格帯の商品はほとんどバングラデシュ製でしたね。意外と「made in china」は目にしませんでした。そして日本でも認知されているブランドでも英国製は絶滅危惧種並み。sunspelとか「英国製」を売りにしているブランドもありますが、もう価格帯が一般的ではありませんし、ここのブログの趣旨とは離れていますので置いときます。
このT-shirtは£4.00。¥700くらいですかね。これはレギュラーフィットをチョイスしましたが次回来た時はスリムフィットも購入したいと思います。
1). 両袖のピーク幅 77.5cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 71.5cm
3). 脇幅 55.5cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 20cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)25cm
6). アームホール(平らにしての採寸)18cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm
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