一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回はかなりマニアもいそうなジョージルーカス監督の映画「スターウォーズ」の公開時のT-shirtです。
あまりにも有名なポーズのプリントであり、現在でもスターウォーズ関連のグッズは相当数出ています。加えて今年は映画一作目公開から丁度40年です。
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でも私はスターウォーズという入り口からこれを購入したわけでは正直ありませんでした。
探していた「CHEDの1970年代のタグ」がついたオリジナルがこれだったのでオークションで落札したのです。
しかもプラスで個人的にですが度肝を抜く要素もあったので速攻で落としたのです。
フロントプリントは一作目の有名なポーズのイラスト。一作目は1977年公開ですが、このイラストの下にも「©1977 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORP」と明記してあります。オリジナルで間違いないでしょう。公開時は20世紀フォックス配給でしたが、その後ルーカスフィルムはディズニーに買収されたのでここのクレジットも変わってきます。
T-shirtsそのものに関してですが、CHEDというブランドは正直、私からしてもあまりよく知らない、”「by anvil」が付いてたから「あぁANVILの傘下ブランドだったんだ」”くらいの認識でした。
T-shirts御三家やANVILなんかよりは正直格下なんだろうなぁ、とか。日本でもあまり今まで耳にしたことがありませんでしたし。
それがなぜか2015年春からブランドネームが復刻?
1970年代に全米各地のSOUVENIR Tシャツのボディとして認知された<CHED (チェド)>。その後1980年代終わり頃に<CHED>は自然消滅してしまいましたが、20年余を経て2015年春夏復活。当時を彷彿とさせるSOUVENIR Tとしての懐かしさが、改めて新鮮さを感じる一枚です。
と、United Arrowsでアナウンスされ、BEAMSにも下のように出てます。
1970年代に“CHED”ブランドはANVIL社から分業し、企業、キャンペーン、クラブ、イベントなど、全米各地の SOUVENIR-T(お土産Tシャツ)のボディとして認知され、国内外で支持され続けました。 その後、1980年代終わりの頃に “CHED”は自然消滅するものの、それから20年余の時を経て、2015年の春“CHED”が日本に再上陸。当時を彷彿させるラインナップは、SOUVENIR-Tなどを中心に、懐かしさと今に見る新鮮さを表現してくれます。
同じような説明に終始しているのはCHED側からのプレスリリースなんでしょうか。
復活して販売しているレディースはメキシコ生産品のようですが、うーん、どこがやってるんだろう….
ただ、個人的に調べてきて合点がいかないのは「CHED by anvil」と表記されているのは1980年代中期からのタグなんですよね。それ以前は「by anvil」表記がありません。普通に考えれば「by anvil」があればその時期が傘下ブランド扱いなんだなと認識できるわけですが。そうなると上記の大手の説明に「?」となるわけですが。
まぁこの辺はまだ勉強不足ということで。
話をこの物件に戻します。
欲しかった1970年代後期のタグはそれ以降のブランドタグとレイアウトが一見して違うんです。
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これはサイズ表記が右上、RNナンバーが左上、その下にブランドロゴという配置。
珍しいのは「Made in U.S.A.」などの生産国表記がどこにもないこと。1970年代は自国生産が当たり前だったので別段明記する必要性も感じなかった結果でしょうか?1970年代のHanesにも生産国表記のないものもあるから(多分)そうなんじゃないか、と。
対して1980年以降は知ってる限りレイアウトは
ブランドロゴ
(by anvil の有無)
サイズ表記
お品書き
Made in USA
となります。
そして探すとほとんどが青タグなのです。当たり前だと思っていればそれまでなんですが、「こりゃひょっとしてHanesと同じルールか?」としばらく探して見つけたのがこれなんです。
そうです、赤タグなんです。
そして推測通り、青タグはコットン・ポリ混紡であり、赤タグは100%コットン。
探すのに結構時間がかかったのは青タグの流通量に比べて赤タグがかなり少ないこと。100枚のうち青が98枚、赤が2枚くらいの割合。この辺りはHanesのパックものの割合と全く違うと思うのですが、100%コットンのT-shirtsだけ残っているのが少ないなんてこともなさそうですし、単純に考えれば流通量に比例してるということでしょうか。
50/50をメインT-shirtsとして販売してきたのだとしたらそれはそれで珍しい商いだったんだなぁ、と。
ネックリブにはネックテープがないのでタグはネックリブと一緒にミシンがけされているようです。1970年代なのに肩はダブルステッチ仕様は珍しい。
更にこの赤タグ、ケア表記がまた珍しい。
100% COTTON
MACH WASH
WARM SET DRIP DRY
1980年代にはすでに
MACHINE WASH WARM
などとアイコンとともに明記されていますが、この説明方法は初めて見ました。「DRIP DRY」ですからねぇ…当時の洗濯機事情でしょうか?
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1). 両袖のピーク幅 62.5cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 63.5cm
3). 脇幅 37cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 16cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)20cm
6). アームホール(平らにしての採寸)15.5cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm
SIZE: Small
せっかく復活したのにBEAMSで販売されているレディースを見る限り、そこら辺のこだわりというか、ルールは無視されているようですね。タグの文字は紺ですから。ちょっともったいないなぁ。
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