一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
今回はこのブログでは初めての「MADE IN JAPAN」製品になります。その名誉?にあずかるのは久米繊維工業株式会社謹製のT-shirt。日本でT-shirtsを初めて製造販売した会社であり、創業から一貫して「MADE IN JAPAN」を貫いている志の高い会社と言えます。
その製品の中でも定番の一つ、”Say Young”。50年以上にわたって売れ続けているロングセラーです。
特徴はいろいろありますが、まずそのシルエット。細身なのですが、お腹から腰にかけて尋常でないほどタイトです。完全「10〜20代オンリー」「おっさんお断り」な世界。マッチョも体の線が綺麗に出るけれどムキムキは逆に似合わないのでは?
とは言え、シルエット上、ワンサイズ上を着てもあまりカッコよくは見えないと思うのでその辺は悩ましいところではあります。
生地はアメリカンなものではなく、フライス生地で、ニットみたいで柔らかく、横方向によく伸びます。
ネックパーツはリブではなくてバインダー衿。個人的にはT-shirtsでは重く見えるのであまり好きではないのですが。ただ、しっかりしているのでスエットシャツだったら大好物だったりします。
で、生地に使われている綿はウエブサイトを見ると「コットンUSAマーク認証」と。アメリカのコットンなんですね。私の目指していたものが数十年も前からここにあったわけです。
次にタグを見てみようかな、と思うもシールが貼り付けられています。イラストの昭和感が素敵過ぎ!日本人向けの日本製なのに金髪の外人ですよ!
ジェントル
サイズ
チェスト90〜98
________
L
JENTLE
日本製
COTTON 100%
「GENTLE」ではなくて「JENTLE」なのがミソ。
そしてシールを剥がすとタグはなし。無名の会社ならいざ知らず、思い切った戦略なのでしょうか。
バインダー衿の処理こそダブルステッチ仕様ですが、他は全てシングル。ほとんどのブランドが裾だけはダブルステッチ仕様を選択するのに対し、これは裾までもシングル。
ただ、縫製。どこ見ても処理が美しいです。これがやっぱり日本製なんですよね。
これを¥2000で売ることができるなんてすごい会社だと思います。
1). 両袖のピーク幅 79cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 71cm
3). 脇幅 41.5cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 17.5cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)23cm
6). アームホール(平らにしての採寸)14.5cm
7). ネックリブ自体の幅 3cm
*購入したのは2017年初頭なのですが届いた製品の洗濯表示のシンボル(アイコン)が2016年12月に改正される前のものだったのでおそらく2016年生産品だと思い、「2016」と表記しています。
「久米繊維工業 “Say Young” T-shirt circa 2016」への1件のフィードバック