一言でT-shirtsと申しましても年代やブランドでディテールが多岐にわたっています。気に入って購入したブランドだけれどいつの間にか仕様が変わってしまってる、なんて事が何十年も愛用しているとよく遭遇しがちです。
ここではそういった変化・変遷をアーカイヴとして書き留めておきたいと思います。
T-shirtsを扱う商売であり、かつ、市井のT-shirts好きの与太話ですが宜しくお付き合いのほどを。
ASI SHOWで実物を初めて見ることができて、肌触りの良さに後日入手したT-shirtです。
こちらのブランドもAmerican Apparelに負けないくらい「MADE IN USA」を前面にアピールしての商品構成を行っています。トランプ大統領がMADE IN USAの復権を謳っているのでこういった会社がもっとクローズアップされそうです。
ただ、日本ではほとんど名前を聞かないブランドであり、その最たる要因が「店舗を持たない」、「基本的に自社のオンラインのみでの販売」というポリシーのため。しかも購入しようとアカウントの登録画面に進むも個人情報入力で国が「アメリカ」と「カナダ」しかプルダウンメニューで選択できず、それ以外の居住者は先にも進めないという難度の高い物件です。
まぁなんやかんやで登録できたので手元にあるわけですが。
ショーではタグに「OLD SCHOOL SERIES」と明記されていたT-shirtsがディスプレイされていて、そのタグが気に入ってたのですが、手に入れたものは違うタグがついてました。
二枚目のケアタグにはなんと!まさかの日本語表記まで。「アメリカ製」ときちんとしたフォントで明記されています。これが中国製だと胡散臭いフォントが使われていて、しかも誤字とかあるっていう、パターンでしょうけれど。そして消費者庁のガイドラインに沿った洗濯表示のアイコンもあるのですが、2017年にはこれ、改正しなくちゃならないんだよなぁ…2016年12月に外国のそれに合わせる旨に改正されたんで。まぁ多分近いうちに変えるでしょうけど。と、いうことは2016年までに製造されていたもの、ということでしょうか。
因みにショーでの写真はこちら。色もかなり好みでしたので購入したのも同色。「TRI CHOCOLATE」という名称のカラー。
カタログを読むと「VINTAGE TRIBLEND」というシリーズ。何故ヴィンテージを名乗る?と思いつつ、ストックしてある1980年代のHanesのリンガーT-shirtsで混紡のものは確かにこういう肌触りであり、着心地です。全体的に薄手で混紡ゆえに着倒すまでに内側の生地が毛玉だらけになって着心地が悪くなって終了、みたいな。
このRoyal apparelのモデルナンバー20051は
50% Polyester, 37% Ring Spun Cotton, 13% Rayonという素材構成。1980年代のT-shirtsにもさほど多くはありませんがレーヨン混紡の生地を使ったT-shirtsを見かけますのでそれへのオマージュなのでしょうか。
3.8oz/sq yd Triblend Jersey素材。普通Ring Spun Fine Jersey Cottonなんかは4.4oz/ydものが使われるので数字的にも薄手なのが明確。
ただ、混紡ゆえに起こるこの色合いはすごく好き。独特の色ムラとでも言いましょうか。以前からコットンとポリの混紡はHanesの50/50とかでもありましたけどこの風合いは無かった。ナチュラルテイスト好きな層から好まれそうではあります。素材は混紡故にナチュラルではないんですが。
もう一つ、ヴィンテージを名乗っているのはその寸法では。このブランドの定番と比較すると全体的に小さめというか、フィットするサイズが採用されています。確かに昔のT-shirtsっぽい。5〜6月に着たくなる、そんな感じのT-shirtです。
あと最後にここのブランドの特徴とも言えると思うのですが、基本的に2枚仕立てなんです。丸胴モデルもあるのですが、すべてのモデルにあるわけではなく、数字のあとに「T」が入るのが丸胴(Tubular)の意味かと。なのでこれも2枚仕立て仕様、肩はダブルステッチになってます。
1). 両袖のピーク幅 81cm
2). ネック後部からの身丈の長さ 71cm
3). 脇幅 52cm
4). ネックリブの縫い付け部の幅(首周り) 21cm
5). 脇の縫製部分の長さ(おおよそです)23cm
6). アームホール(平らにしての採寸)17cm
7). ネックリブ自体の幅 2cm